ねとられ峠

てのりさんがユーモアを磨く秘密基地。サブカルっぽいことをなんか喋ります。

【第4回CCS”予選全勝”構築】7世代ボルトガブハッサム【報告書在中】

みなさん舞ってますか。僕は舞ってます。
 

ご無沙汰しております、てのりです。2ヶ月ほど前にポケモン対戦に復帰し、このたび発寒厨くん主催のポケモン対戦オフ”第4回CCS"に参加してきました。ていうか第1回CCSの開催が2011年なのに6年経ってもまだ第4回なんですね。

CCSの元主催であるちびすけさんの意志を継いで運営業務に奔走する発寒厨くん、かとぱんくんを眺めていると大変微笑ましい気持ちになりました。すぐ横で缶ビール片手にピザ食ってたちびすけさんとの対比が微笑ましさに拍車をかけていましたね。

ルールをざっくり説明しますと、3人1組のチームで各々が5世代(BW2)6世代(ORAS)7世代(SM)を担当し、メンバーの勝敗数でチームの勝ち負けを決める、所謂”団体戦”でした(団体戦という概念を知らないオタクの方々に向けて説明させていただきました)。

僕は7世代対戦を担当し、持ち前のブラフを駆使して予選個人全勝を達成。

チーム単位7勝1敗と良績をおさめ、ブロック1位抜けで決勝トーナメント進出となりました(決勝1回戦でボロ負けして泣きながら二次会に向かった)。 

記事前半は構築詳細、後半は簡単なレポをどうぞ。


【使用した構築】

f:id:NTR_ten0r1n:20171016115423p:plain

 ※カプ・ブルルの画像が無かったためわさビーフのロゴで代用(色味が似ていた)。

四捨五入すると積みサイクルです。みなさん舞ってますか。僕は舞ってます。

以下、さらっと個別解説。

(赤文字は努力値を入れている部分です)

ボルトロス(化身)

f:id:NTR_ten0r1n:20171016153558p:plain

184-xx-130-145-101-135

ずぶといHBわるだくみ化身ボルト。いたずらごころの恩恵を存分に活かして優先度+1でHP調整をおこない、意図的にイアのみを発動させることができます。

このラインまでB方面を厚くするとAを削ってるボーマンダハチマキ・つるぎのまい以外のナットレイなんかを無理やり起点にすることも可能。みがわりをうまく運用すればバシャーモも対面で持っていけるあたり優秀です。

特筆すべきはマンダへの安心感後投げに毒を合わせられるケース以外ほぼ負けません。

ガブリアス

f:id:NTR_ten0r1n:20171016153632p:plain

183-182-106-xx-95-169

テッカグヤエアームドなどに隙を見せない炎牙採用。カプ・ブルルでも止まらない上、ナットレイハッサムの処理も高速化できます。レートでマッシブーン相手に火傷&怯みをいっぺんに引いて一瞬で無力化させた時はさすがに若干引きましたね。

詳しい運用方法は下記動画をご覧ください。

タスキを盾に強引に剣舞を積むシーンや、リザードンに後出しするシーンなど、アイテムありきの立ち回りをせざるを得ない状況が多々存在するので、つくづく強いポケモンに強いアイテムを持たせると強いという”当たり前の理屈”を再認させてくれるポケモンです。

でもよく考えたら「美味しいものの上に美味しいものを乗せると美味しい説」を狙ったアメリカの食べ物ってクソ不味いんだよなあ……。おかしいなあ……。

◆メガハッサム

f:id:NTR_ten0r1n:20171016153648p:plain

 145-222-161-xx-120-127

舞ってバレットパンチ打つ機械、以上。

ASぶっぱの狙いは覚えてませんハッサムミラーの殴り合いで有利を取れたり、Sを甘えている中速ポケモンに先行トンボ打ってボルトやギャラに回したり、理論上いろいろできるはずですが舞ってバレパンを打ち続ける日々は僕から感情を奪いました

◆メガギャラドス

f:id:NTR_ten0r1n:20171016153719p:plain

171-227-129-xx-150-146

舞ってたきのぼりを打つ機械。以上。

僕は自分に厳しく、ポケモンにも厳しく接するスタンスを取っており、こおりのキバを外したギャラドス戒めとして逃がしています

ウルガモス

f:id:NTR_ten0r1n:20171016153738p:plain

161-xx-85-205-125-152

文句なしに強いので特に言うこともないんですけど、必中の無反動ジュエルオーバーヒートって5世代プレイヤーのイデアですよね。

ウルガの舞に合わせて出てくるステロダメ入りのカイリューをジュエルオバヒで吹き飛ばそうとしたら外して顔面真っ赤にしていたあの頃が懐かしい。

オバヒガモスって場合によってはハッサムに負けるもんな。弓切り式で必死に火を起こそうとしている縄文時代の人がチャッカマンを手にしたら多分同じ反応するんじゃないかと思います。

舞った後、スカーフ巻いてるテテフに上を取られてはお話にならないので良い子のみなさんは臆病ウルガモスを使いましょう。

なお、僕は個体を1つしか持っていないのでこの先も控えめを使い続けます。臆病スカーフテテフの使用者は全員速やかに死んでください。育成も孵化も面倒なので臆病ウルガ余らせてる方はぜひリース契約のほうよろしくお願い申し上げます。

カプ・ブルル

f:id:NTR_ten0r1n:20171016154159p:plain

 161-181-135-xx-136-108

自分をビルドガッサだと勘違いしている精神異常者

ビルドアップからのZばかぢからでナットレイポリゴン2が落ちるギャラドスキノガッサも起点にできる。ビルド積んで身代わりの残った状態で対面すればZばかぢからでバシャーモにも勝てたりするとんでもない猛牛です。

ポリゴン2との対面でビルドアップから入るため、D実数値をBよりも厚くして申し訳程度のDL対策をおこなっています。といってもビルド積んだ状態で対面したら相手のC上がっちゃうんですけどね。

グラスフィールドの回復量を稼ぐため”H実数値16+1”を維持しつつ、ウッドホーンの回復量も捨てがたく145177の間を取って161にしてみました。この調整が生きたなーという経験は今のところありません

CCSでの実戦ではシータくんのキノガッサを起点にみがわり→ビルドアップを展開したり、やきそばさんのポリゴン2ビルドZばかぢからで吹っ飛ばしたり、上に記載した通りの役目を全うしました。

詳しい運用方法は下記動画をご覧ください。


 
ここからは対戦を含めたレポートです
【第1期-予選編- 登場人物】

◆僕のチームメイト◆

桜のXT

本名は”登る夢”と書いて「登夢(トム」。

以下トムと表記。第4回CCSに僕を誘った張本人。予選では5世代(BW2)を担当し、天命を味方に付け7勝1敗をおさめる。

ポケモンバトル乳首めちゃくちゃ弱い

逆援助交際の経験があり、実体験にもとづいた自著「58歳の膣を濡らす22の方法」が好評発売中。彼について詳しく知りたい方は下記URLから当該記事をご覧ください。

桜のXT (@sakuranoxt) | Twitter

 

らいず

稀に出没する「私ぃ、バトルとかよくゎかんなぃヶドぉ、ポケモン動画は見てまぁす。好きな実況者ゎぁ、ペリカンさんとライバロリさん♪♪♪」

とかツイッターで垂れ流し始めるゴミカス女とは違い、ポケモンを超やりこんでいる素晴らしい女の子。5,6,7各世代の対戦に対応可能なマルチタスク芸人でもある。ニコニコシンドロームのサブカルマンコ共はこの人の爪の垢を煎じて飲むべき。

今回は発寒厨くんの紹介で僕・トムチームメイトとして参加。予選では6世代(ORAS)を担当していただきました。

なんの準備もしていないトムに構築ごと5世代のROMを貸し付けた救世主。個人戦績4勝4敗も、”彼女の構築”で5世代予選を勝ち進んだのは紛うことなき事実であり、よってトムの戦績を合算して実質11勝5敗だといえる

らいず (@Rise_1525) | Twitter

 

てのり

僕。この物語の語り部

最近「あやね」と名付けて可愛がっていたオナホールを壊してしまい、数日前にお焚き上げの儀を済ませたところ。失意の中、第4回CCSへと参加する。

射精する時は声が出ちゃうタイプ。

てのり (@NTR_ten0r1n) | Twitter

 

◆漏れのライバルたち◆

とげうなぎ

おそらく世界一ポケモンの上手いうなぎ。本名は前田

僕の競馬仲間。覚えている限り、同じポケモン対戦オフに出た回数よりも友達を集めて一緒に競馬場に連れだった回数のほうが圧倒的に多い。

オヤシロのチームメイト。口癖は「リアル捨ててポケモンってよく言うけどさ、俺にとってはもうポケモンがリアルなんだよ」。

前田 (@mr19950218) | Twitter

 

オヤシロ

とげうなぎのチームメイト。普段は神社に祀られている

少年マンガの敵キャラによくいる無邪気に人を殺すタイプ。自ら手を下した死骸を前に「すっごい楽しかったのじゃ!」と笑顔を向ける。ひとたび下界に顕現するとはしゃぎすぎて街をひとつ壊滅させてしまう。趣味は麻雀麻将(中国麻雀)

交際して一年になる彼女が居るが、未だ性交渉に至っていない。そのため一部からは「チンチンが付いてないんじゃないか」と疑惑の目を向けられている。

語尾は「〜のじゃ」。

オヤシロ (@oyashiro_poke) | Twitter

 

ライバロリ 

7世代の王。圧倒的なカリスマ性から男女問わず多方面にファンを持ち、メンヘラから幾度となく凸を食らうほどの人気者。だが僕からすれば二次会の会場でゴキブリの死骸を見つけてハシャぐヤベエ奴。日課はニコニコタレント・ハヤシさんのツイッタースパブロすること。

ラグナロクかよ。

ライバロリ (@raibarori) | Twitter

 

発寒厨

第4回CCS主催者。運営業務おつかれさまでした。

ポケモン対戦オフによくいる奇抜な髪型のやつ。頭髪をの”ツートンカラー”に染めているせいで、遠目だとYouTuberにしか見えない。ここでイジっても彼はどうせこの記事を読まないのでバレないはず

口癖は「俺は強い」。

彼の使った並びは下記。後日詳細記事が上がったらURLを差し替えます。

d.hatena.ne.jp

EVL|発寒厨 (@_cizayox) | Twitter

  


 
◆第2期-決勝編- 登場人物◆

まなてぃー

酒を主食とする女。東大卒。趣味は学歴で人をブン殴ること。

第4回CCS優勝チームメンバー。6世代(ORAS)対戦を担当し、決勝1回戦で僕たちのチームとマッチする。奇しくも”女同士の戦い”となったらいずとの決戦を制す。決め台詞は「次は偏差値を上げてかかってきな」。

まなてぃー (@midsummer_poke) | Twitter

 

かとぱん

第4回CCSスタッフであり第4回CCS優勝チームメンバー。運営業務お疲れ様でした。

5世代(BW2)対戦を担当し、決勝1回戦で我らがトム秒殺した。好きな四字熟語は「豊田萌絵」。

本名は加糖パン太郎。無類の戦闘狂で、常に”強い相手”に飢えている。

作中では無惨に散ったトムの亡骸を鷲掴み「こんなんじゃ足りねえ、足りねえよ……」と言い、涙を流した。

かとぱん (@edarapciloh) | Twitter

 

van_lifefucker

第4回CCS優勝チームメンバー

この物語の主人公

最近の悩みは無理なダイエットが原因でのリバウンド。女子大生に囲まれたキャンパスライフを謳歌中で、ペニスの乾かない日々を送っている。

悲願のオフ優勝を達成し、衆目の中で安らかに成仏した。

van (@van_Lifefucker) | Twitter

 

ちびすけ

元CCS主催者。作中では故人となっている。

CCSの実権者であり、隠居してからはオフ会場の受付で参加者に名札と缶ビールを渡す役割を主に担う。第4回CCSにてゲリラに3DSを奪われ、パーティ内の持ち物を”するどいくちばし”がくしゅうそうちなどに変えられる。結果、構築の誤作動により落命。CCSの影に潜む陰謀の犠牲者となった(後の1015-鋭い嘴事件)。

西千葉のスラム街出身。彼が選定した二次会の会場はゴキブリも死に絶えるほどに劣悪。

彼が使用した”7世代対面”は下記リンクから。信条は「真の対面は退かない」。

biscuit-twister.hatenadiary.jp

ちびすけっと (@pack_777) | Twitter 

 

だいあん

第二期OVA二次会編」に登場。CCSで命を落としたちびすけに代わって二次会に参戦する。前作「【教訓】”性病リレー”のバトンを受けた友達の話」のメインキャスト。

トムお守り役。呼吸するように酒を浴びる。春先に競馬で突発的に30万円儲けて以来、すこぶる金遣いが荒くなった

口癖は「飲み」「飲みは?」「飲みね!」「飲み行こ」「飲もう」の飲み5段活用

だいあんぴーす (@daian0721) | Twitter

 


 
★★★リーグ編  -対戦内容- ★★★ 
 
1戦目 

相手のメガボーマンダホノオZウルガモスを後投げして勝利

自分:カプ・ブルル - 相手:ボーマンダ

メガボーマンダは龍の舞を選択。「この出し方タスキウルガだよね?接触したくねえなあ」とプレミを誘い、返しのめざ氷で処理。そのまま降参を貰って勝ち。

頭の湧いたプレイングをやらかした自覚はありましたが、途中から対戦相手のやきそばさんと”だいあんのリア友同士”という共通点から意気投合。加えてその後、きっちり野良ダブルバトルで殺されたため許されたものだと信じたいところです。

 

2戦目 

「なあ、めざ草ってグラスフィールド効くよね? ……あっ、ボルトロス浮いてるからフィールド効かへんのやったっけ……?」とハッタリかまして勝利

自分:ボルトロス - 相手:マンムー

マンムーは後続のバシャーモに交代。こちらはめざめるパワーを選択しバシャに半減されます。

ここで”対戦に関してチーム内での相談を可とする”というルールを活かし、咄嗟に隣のトムに話しかけた言葉が上のやつ。言った後で「(いやいや、ボルトロスに草技入れるなら草結びしかないやん……)」と気づいたもののゴリ押しました。

これがハマったのか、相手チームに「めざ草……?マジで……?」と”不穏な空気”を与え、結果バシャーモで突っ張ってもらえたおかげでHBボルトロスでそのまま処理。裏のマンムーハッサムでしばいて勝利しました。

何がアレかって、お相手チームのメンバーが「僕、てのりさんの動画毎度楽しみに見てますよ!」と言ってくださった直後にこのブラフ。「ああ、僕は人として終わってしまったんだなあ」としみじみ感じた対戦でした。

 

3戦目 

対戦相手のとげうなぎ府中牝馬ステークス(競馬のレース)の買い目を相談しながら対戦してたらなんか勝ってた。 

対戦が終わった後、3人でスマホにかじりついて競馬観戦をしましたが、あえなく撃沈。僕・トム・前田合わせて合計2万円くらい溶かしました。この時点で「競馬で負けたぶんポケモンで勝つぞ!」というだらしなさすぎる闘志が芽生えました。

 

4戦目 

対戦相手のライバロリくんと汚ねえ金儲けの話を肴に対戦してたらなんか勝ってた。

積みサイクルvs積みサイクルで、お互いにプレミらしいプレミもなく、気づいたら対戦終わってた感があります。ライバロリくんには1次会終了後、二次会の会場である新宿までYouTubeの収益でキャリーしていただきました。 ありがとうございました。 

 

5戦目 

vsシータくん。

初手のガッサをブルルで起点にして勝利。

 

6戦目 

なんか勝ってた。

 

7戦目 

「そりゃあケアするよ。アレな。アレでしょ。ケアするよーそりゃあ」とブラフで乗っかって勝利

自分:メガギャラドス - 相手:ドリュウズ

→vs発寒厨くんの一幕。こちらのメガギャラドスのHPが3割削れており、発寒厨くんがジメンZじしんを打つかつるぎのまいを積むか択一で逡巡していた局面のこと。

「たぶん持ち物が”アレ(ジメンZ)”ってバレてますよね〜?」「てのりさんが”アレ”考慮して(一旦後続にバックして)ケアしてきたらマジで(ギャラ落とせなくて)負けるんだよな〜」という発寒厨くんの言葉にとりあえず乗っかったのが上述の言葉です。

ジメンZなどというアイテムなど知る由もない僕は即決でたきのぼりを選択。発寒厨くんのドリュウズが華麗に舞い始めるのを尻目にギャラで後続ごとドツいて勝利。なお僕は5世代の頃から鋼ジュエルドリュウズしか使ったことがなかったので”ジメンZがポピュラーである”という事実すら知りませんでした。

 

8戦目 

対戦相手のぱるうさんに通信対戦の方法を教えながら勝利

 


 

このように、どうしようもないプレイングをハッタリかましてもぎとった末の”全勝”なので、完成された構築と洗練されたプレイングで華麗に勝利!みたいなスマートさ微塵もありません

CCSがチーム戦だったから自由な発言が許されたものの、これがもし個人参加の対戦オフなら「ただ単に独り言撒き散らしてるヤベエ奴」でしかないので人として実行不可能ですしね。

僕はまだ人でありたいので。

なので、この構築記事をご覧いただいたみなさまには「こいつまだこんな亡霊みたいなパーティポケモンやってんのかよ」「ゴミみたいなブルル使ってんな、キノガッサでやれ」など、思い思いの感想を抱いていただければ幸いです。

最後に

苦情やご意見、質問、および”登場人物”への追加要望などがございましたら追って記載いたしますので、お気軽にお声がけください。

twitter.com

 

【無情】好きなのに打ち切られたライトノベルシリーズ10選

現実は無情である

 出版業界の不況が叫ばれる昨今においてなお、ライトノベルの売上は依然として衰えません。映像化、DVD化、CD展開など、多種多様なメディアミックスを経て獲得した新たな層や、特典のために同じ商品をいくつも買い漁るジャパニーズ・オタク・スピリットが業界を支えていると思うと感慨深いものがありますね。

 しかし、現実は無情です。

 ライトノベルもひとつの商品であり、残念ながらそうである以上、売れなければ淘汰されます。乱暴な言い方ですが、サーバーの一部を食らってデータベース上にポンと放り投げられるだけのWebコンテンツと違い、書籍には出版コストがかかります。コストに見合わない作品が打ち切られるのは、仕方のないこと。

 けれど、淘汰された側」にも少なからず需要は存在します。

 今回は「打ち切られてしまったライトノベル」にフォーカスすることで、そうしたマイノリティ側の需要を少しでも拡大させたいという想いから筆を取りました。もし、以下に列挙する作品の中で「知っている作品」があれば、ぜひともお声がけいただきたいと思います。マイノリティは全体的な認知こそ少ないが、その分、共感を得た際の高揚感は並々ならぬものがあるからです。

 なお、「打ち切り」の定義には個々人で認識の差異があるため、ここで統一しておきましょう。この記事上における「打ち切られたライトノベル」は、続巻が一向に刊行されない作品を指します

 例を挙げると「僕は友達が少ない」(MF文庫)や「ダンタリアンの書架」(角川スニーカー文庫)などのように”一応の最終話”を迎えたものは該当しません。

 なお「ろの箱と零のマリア」(電撃文庫)や「紅-kurenai-」(スーパーダッシュ文庫)、「GOSICK」(富士見ミステリー文庫)などのように、長期明けでいきなり続刊が出る作品も存在するため、この「打ち切り」作品が該当物ではなかったというオチもあり得ます。ご了承くださいませ。

 


 

白奈さん、おいしくいただいちゃいます

f:id:NTR_ten0r1n:20161103213551j:plain

著:似鳥航一 イラスト:瑠奈璃亜

白奈さん、おいしくいただいちゃいます|電撃文庫公式サイト

 

 学園の内外で起こる謎めいた事件を、主人公本間玄人とヒロイン城之内白奈「料理」で解決していくコミカルミステリー、またはグルメコメディ作品。一見なにを言っているのか分からない方も多いかもしれないけれど、この表現が正鵠を射ているとしか言いようがありません。

 主人公の玄人くんは天才的な料理の腕を持っており、またヒロインの白奈さんはバカと紙一重すぎるため掴みどころがなく、突拍子もない言動や行動をおっぱじめるアクティブな天才です。プロローグで天高くから卵を割り落とし、地上で卵かけごはんを完成させるという突拍子もなさすぎる展開で心を持っていかれました。

 グルメ系作品にはお決まりの食レポキャラも健在で、ライトノベルながら美味しんぼとか焼きたて!ジャぱんを読んでいるときのような「食の勢い」に圧倒されます。夜中に読んでいると思わずお腹が減る傑作。ですが現在2巻で止まっています。 

 

電波的な彼女 

f:id:NTR_ten0r1n:20161103213910j:plain

著:片山憲太郎 イラスト:山本ヤマト

 電波的な彼女 - Wikipedia 

 ”人間の狂気”を描いた傑作にして、「紅-kurenai-」の作者・片山憲太郎先生のデビュー作でもあります。書籍の他、OVA化もされましたが3巻で止まっています。メインヒロインのCVに広橋涼が起用され、完全に「勝った」と思ったのに3巻で止まっています

 通り魔集団カルト小児誘拐など、人間の起こしうる狂気に主人公・柔沢ジュウとその「従者」堕花雨が立ち向かう、という大筋。「従者」という言葉はそっくりそのまま、ヒロインの雨ちゃんが発する言葉なのですが、前世の絆がどうとか運命がどうとか、まったく想像できない思考から”理由”が繰り出されます。「電波的な彼女」というタイトルはこのヒロインの属性に紐づいています。

 これはかなり重度のネタバレになりますが、第一巻で主人公にちょっかいをかけていた溌剌とした女の子が実は通り魔の共同正犯で、なおかつ幼少時から現在にかけて通り魔からたびたびレイプされていたという背景が出てきます。ライトノベルのメインターゲットたるジャパニーズ・オタクの大半が怒りで本を破くだろう挑戦的な命題を、非常に奥ゆかしく感じました。でも3巻で止まっています

 

 

 

我が家のお稲荷さま。

f:id:NTR_ten0r1n:20161103214413j:plain

著:柴村仁 イラスト:放電映像

我が家のお稲荷さま。 - Wikipedia

 10年前くらいの電撃文庫でTOPを飾っていた気がする人気作。なのに7巻でストップしている。しかも7巻が短編集という悲しい結末。

 魅力的な妖怪・天狐空幻を家族として迎え入れる主人公一家の懐の深さと、取り扱っている問題がわりとナイーブめにも関わらずドタバタコメディのように進んでいく物語の軽妙さがとても魅力的です。

 

この作品は認知度高めですし、アニメ化もされましたので一度そちらに触れていただいて、できれば原作も読んでいただいて、7巻でストップしていることへの謎を共感できればなと思っています。サラッと終わって次に行きましょう。

 

 

カクレヒメ

f:id:NTR_ten0r1n:20161103215222j:plain

著:佐竹彬 イラスト:草野ほうき

 カクレヒメ - Wikipedia

  “感覚拡大症”という五感の一つが暴走してしまう謎の現象がある、現代が舞台。病気の一種である症状を持ち“触覚を物体の中に潜りこませる”ことが出来る高校生・瀬畑明珠は症状を研究する特殊機関「時任病院・第八号棟」の医師の新留紗織と出会い、そして患者の巫部梓と出会う。彼女は能力を持つがゆえに施設の中で外との接触を断って過ごす“隠れ身の姫”と呼ばれる少女であった。拡大症患者でありながら、唯一通院することを認められた明珠は心を交流させる。(あらすじ引用)

 ありがちといえばありがちな、ジュブナイルもの。ただ、「感覚を拡大させる」というテーマと、それに縛られたヒロインという切なさの権化のような設定と、その空気感に心を奪われました。

 主人公・明珠の持つ「物体の中に触覚を潜り込ませる」という、一見なにに使えるのかわからないコンビニ弁当のバランのような能力も、作中でとても優秀な活躍を見せます。外界との接触を断って生きるヒロインとのガラスのような掛け合いも魅力のひとつ。1巻だけでも読んでみることをお勧めします。1巻が気に入れば2巻も。どうせ2巻で止まっているので。 

カクレヒメ (電撃文庫)

カクレヒメ (電撃文庫)

 

 

 

 

わたしたちの田村くん

f:id:NTR_ten0r1n:20161103215952j:plain

著:竹宮ゆゆこ イラスト:ヤス

わたしたちの田村くん - Wikipedia

とらドラ!」と「ゴールデンタイム」で一世を風靡した竹宮ゆゆこ先生の作品。ファンも多く、その独特なタッチで描かれるストーリーは今後の展開を非常に楽しみにさせるものがありましたが、2巻で止まっています

 主人公の”田村くん”が、時期を違って2人の女の子、小巻広香に出会い、どちらにも惹かれながらその関係に苦悩し、奔走するラブコメ作品です。

 いわゆる「電波系ヒロイン」にあたる小巻との関係に読んでいるこちらもヤキモキさせられますが、背負った過去や、「離れても文通でつながっている」という距離感の薄さに、心を持っていかれました。

 もう一人のヒロイン・広香はイジメ被害による不登校を経験しており、主人公が献身的に関わる中でヒロイン側から恋愛感情が芽生えていくのは、まるで少女漫画を読んでいるような感覚でした。

  ぜひともお勧めしたい作品です。止まってるけど

わたしたちの田村くん (電撃文庫)

わたしたちの田村くん (電撃文庫)

 

 

 

 

きみとぼくの壊れた世界(世界シリーズ)

f:id:NTR_ten0r1n:20161103220106j:plain

著:西尾維新 イラスト:TAGRO

世界シリーズ - Wikipedia

 戯言、化物語、少女不十分、めだかボックス……と、西尾維新作品だけでもかなりのシリーズ数を誇りますが、私的「最も西尾維新っぽい作品」がこの世界シリーズです。 

 内容としては、学園で起こる殺人事件を解決する王道ミステリー。ただし登場人物の人生観が大いに狂っているため、めちゃくちゃ回り道して王道を進むことになります。

 実妹を溺愛する主人公・櫃内様刻、実兄を溺愛する妹・櫃内夜月、対人障害で保健室から外に出られない売春探偵・病院坂黒猫など、魅力的なキャラクターが目白押しです。西尾作品なので、サイコパスじみた主人公による怒涛の一人称視点で展開され、見開きのページがまるまる文字で埋まっているような描写も。

 一風変わった作品を求める方にお勧めしたいです。この作品の要となる最強ヒロイン・病院坂黒猫による回想譚「ぼくの世界」が存在するそうですが、刊行されないまま数年経過しています愛しているよ、くろね子さん。 

 

 

ばけらの!

f:id:NTR_ten0r1n:20161103215846j:plain

著:杉井光 イラスト:赤人

 GA文庫:「ばけらの!」 INDEX

 一時期炎上していた杉井光先生がGA文庫で出していた作品。正直、作家なんて炎上も芸風のひとつだと思いますし、成果物が面白ければそれでいいので、「さよならピアノソナタ」や「神様のメモ帳」、「生徒会探偵キリカ」を生み出した杉井先生のことは個人的にかなりリスペクトしています。

 舞台は現代の池袋。主人公の名前は杉井ヒカル。つまり、杉井先生が自身をベースに作っておられる作品です。一巻の表紙にもなっているヒロイン・葉隠イヅナのベースは狼と香辛料」の支倉凍砂先生だそうです。

 内容としては、ライトノベル作家がボロアパートでだらだらと駄弁ったり、パチ打ちに行ったり、ファミレスで原稿の〆切に追われたり、麻雀打ったりする、ある意味でめちゃくちゃリアルな日常小説。だからこそ、この緩い空気感を味わうのが楽しいです。

 現実ベースのため、メタフィクションを交えた日常風景が1巻、2巻と続きますが、完全にお察しのとおり2巻から6年くらい止まっています

 

 

トカゲの王

 f:id:NTR_ten0r1n:20161103215126j:plain

著:入間人間 イラスト:ブリキ

 トカゲの王シリーズ詳細|入間人間公式サイト

 「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」「電波女と青春男」「僕の小規模な奇跡」などで知られるトチ狂い一人称芸人・入間人間先生の作品。内容としては異能バトルもの。

  ただし、この使役できる「異能」のスケールが他作品とまったく異なり、瞳の色を変えられる”だけ”とか、相手の小指を自由自在に動かせる”だけ”とか、めちゃくちゃ華美な翼を生やせる”だけ”とか、単体ではまったく戦力として機能しないものばかり。これらをうまく組み合わせて登場人物が状況を打破していく様子は、入間先生の作風も相まってまったく想像ができません。

 相変わらず登場人物が独特の倫理観を持っていますが、中でも最もヤバいと思われるメインヒロイン・巣鴨は、女子中学生のくせに公の場にストリッパーみたいな服装で出かけるわ、主人公の瞳が好きだからという理由で眼球をエグり出すわ、狂った世界観の代表格のような存在で非常に魅力的です。

 この作品を選んだことを共感してくれる方は結構多いんじゃなかろうか。例によって5巻で止まっています

 

 

青春ラリアット!!

f:id:NTR_ten0r1n:20161103214206j:plain

著:蝉川タカマル イラスト:すみ兵

 青春ラリアット!!|電撃文庫公式サイト

 「行くぞコノヤローッ!」どこかの有名レスラーばりにマイクコールをし、全校朝礼の場で公開告白をした月島。その結果は――当然、停学処分となったのだった。バカの日本代表、月島を心配する者が一人。友人の宮本である。宮本は傷心の月島を見舞う事に。その道中で出会ったのが、整った顔立ちながら愛想の欠片もない無表情の少女、長瀬だった。どうも、長瀬は“あの月島”に惚れているらしい。その事に驚きつつ、自分に対してなぜか横柄な彼女に怒りも覚える宮本だった。この奇妙な三角関係が、風雲嵐を巻き起こす事になり――? (あらすじ引用)

 青春に最も必要なものは”勢い”だ! と言わんばかりの挑戦作。いつだったかの電撃文庫大賞で金賞を受賞していた気がします。実際、ライトノベル含め、他の小説やアニメ、映画などで問題になる部分を全部”勢い”で攻略していく物語はめちゃくちゃ面白く、そして続刊が出ないまま時間が経過してしまいました

 登場人物がすべて勢いのまま押し切っちゃう脳筋ばかりなので、いわゆる「神の視点」(三人称視点)からストーリーを追っていくのが非常に心地よく、個性的なキャラクターも相まって、コミックを読んでいるような感覚でサクサク読み進めることができます。ヒロインが主人公(?)に興味を示さない点も、ライトノベルとしては新感覚で非常に奥ゆかしかったです。1巻だけでも購入する価値ありますよ!

 

 

私の愛馬は凶悪です

f:id:NTR_ten0r1n:20161103221818j:plain

著:新井輝 イラスト:緋鍵龍彦 

私の愛馬は凶悪です | 文庫 | ファミ通文庫 | エンターブレイン

高岡霧理の我慢はもう限界だった。クラスメイトの射水位里は有名な女たらしで、毎日違う女の子とえっちしているらしい。高校生としてどうなの!? と思っている矢先、教室で他校の女子とモメている様子を見て爆発、説教しまくる! しかし、位里の言い分は「ただ話し相手がほしいだけ――」。彼の奇行(?)を止めるため、霧理は一人暮しの位里のマンションへ行くことに。それをきっかけに、彼に複雑な感情を抱くようになるのだが――。あるとき“位里様の超絶テク”の噂を聞きつけた妹の氷柱に、彼の『予約』を頼まれて霧理は大ショック!? 恋にえっちに悩む霧里たちのおかしな青春模様。(公式サイトよりあらすじ引用)

  ライトノベルの世界に「セックス」要素をポジティブに取り入れ、等身大の女子高生の悩みや日常生活を生々しく描いた本作。1巻で止まっていますシリーズものと呼べるのか疑問ですが、次巻の存在が示唆されていたような気がするのでノミネートさせていただきました。

 奥手な主人公が、性的に進んだ周囲からの乖離を覚えつつ、ヤリチンの男の子と仲良くなるというストーリー。”進んでいない”女子高生の心理描写が愛らしく、1巻だけで心を持っていかれた作品です。  

 


 

伝えたいこと

 本題に入る前に「マイノリティに対する共感を得たい」としたためましたが、実はもう一つ、伝えておきたかったことがあります。

 淘汰されていった作品の中でも「これは面白い」と自信を持って言えるもの を選定してみました。はじめの「淘汰された作品にも需要は存在する」という部分に掛かりますが、言い換えれば、見る人は見ているのです。数が少ないだけで。

 いくらマイノリティでも、淘汰される側でも、見る人が見ればそれは「面白い」ものとなり得ます。たとえば、投稿した動画の再生数が少なくて悩んでいるあなたも、ブログのPV数が少なくて悩んでいるあなたも、見る人が見れば「面白い」ものを作っているに違いありませんよ!

 

ついでに

 先日、こんな「10選」を投稿したので、ぜひともチェックしてみてください。 

ntr-ten0r1n.hatenablog.com

 

 それでは、ここらで筆を置かせていただきます。ありがとうございました。

 

 P.S.生徒会探偵キリカ」がめちゃくちゃ好きで、もう6巻から1年3ヶ月動いていないのですが、打ち切られていてほしくないのでここには記載しておりません。

lanove.kodansha.co.jp

 

【雑記すぎる雑記】心に残っているおすすめエロゲ10選

f:id:NTR_ten0r1n:20171011120809p:plain

ふと思い返して

社会に出てからエロゲをプレイする頻度はめっきり下がりましたが、なんだかんだ結構な数遊んだなーと懐かしさを感じます。そもそも学生の頃がおかしかったんですね、夜更かしの理由:エロゲってなにこれ。

「文章を書く」という趣味が高じて、今や副業でライターの端くれのような仕事をちょこちょこさせていただいている僕は、もともと読書好きだったことを含め、さまざまな文学、シナリオに触れてきました。エロゲもその一部分。

結局のところ、エロゲはディスプレイを経由するサウンドノベルなので、キャラ立ちやその背景、演出、プロットなど、さまざまなところで学びを得られたと思っています。

たとえば、僕の書いたこの作品(2017年改稿につきURL貼替)。

kakuyomu.jp

各キャラクターが持つビジュアル面の個性やセリフにメリハリを付ける上で、エロゲを参考にした部分はとても大きいです。見た目がユーザーの好みに沿うものか否かで評価が二分化されますからね。

今回テーマに掲げた「心に残っている」という文言ですが、あえて定義するなら『他人の人生にどれだけ干渉したか』ではないかと考えます。

この「残っている」という部分がポイントで、能動的に「心に残した」ではなく、自然と「心に残った」ものを重視しています。この考えに基づいて、後々から考察を深めた「ゴア・スクリーミング・ショウ」などの作品は外してあります。

また、2部作3部作のように、数作に分かれて物語が完結する作品も外してあります。この考えに基づいて「BALDR SKY」「グリザイアの果実」「時計仕掛けのレイライン」「暁の護衛」「Flyable Heart」などを除外。意図としては、「ひとつの作品への没入」を重視したいから。

「迷宮」をプレイすることによって「果実」のあのシーンに別の視点が見えて来たとか、すべての道は「朝霧に散る花」に通ずとか「Dive2-recorder-」はDive1のあのシーンを受けて輝いたとか、言い始めたらキリがありませんからね。エロゲオタクに限らずオタクは起源論争が大好物ですし、ここらへんは記事の方向性に則していないかなと。

さて、前置きが長くなったので本編はサラっといきましょう。記事の性質上めちゃくちゃネタバレします。ご留意ください。また「心に残った作品10選」は「好きな作品TOP10」とイコールではないので、その点もよろしくお願いします。

 


 

①『ク・リトル・リトル~魔女の使役る、蟲神の触手~』

f:id:NTR_ten0r1n:20161031222011j:plain

http://www.cyc-soft.com/b-cyc-pro/cthulhu/cthulhu_top.html

 めちゃくちゃ真面目に前置きしてからの

さんきゅーべりーマ×コ

ざっくり紹介すると、クトゥルフ神話をベースにしたバトルものです。

エログロっぷりが突き抜けていて素晴らしい。クトゥルフ神話をモデルにした超能力を得てヒロインたちが争いを繰り広げます。

能力者たちは四肢欠損だったり盲目だったり、結合双生児だったりと身体の一部が欠損しており、しかし特殊性癖に応えるのみならず、そこにもまた”意味”が含まれるという秀作です。倫理的にヤバすぎてなんかの団体が動いたとか動かなかったとか。

「駄作」や「狗哭」など突き抜けた作品が溢れるCycの中でも特に「クソゲー」と謳われる本作ですが、この呼称は”disrespect”の意ではなく、手足のないヒロインがトイレに行けずすごい勢いでウンコを漏らすシーンや、知的障害者のある能力者が相手の腹の中にウンコを植え付けたりすることに端を発しています。

 スカ要素を取り沙汰される機会が多いですが、クトゥルフ神話南総里見八犬伝が入り交じったシナリオが物語に迫力と厚みを与えてくれます。

 あまり冗長になってもいけないので、僕が作中もっとも好きなシーンを紹介して次に行きましょう。

f:id:NTR_ten0r1n:20161031223035j:plain

これで2億回くらい抜きました

這いよれ!ニャル子さん」などクトゥルフ神話をベースとした作品は存在しますが、クトゥルフ特有の「触手」という要素を突き詰めた作品はこれ以上ないかと。だって敵の膣やアナルに触手突っ込んで精気引っこ抜くんやで……?

一部の界隈で有名なネタですが、ファンディスクに80歳の老婆の触手レイプシーンが存在します。おそらく業界初だと思いますし、できれば業界最後であってほしいですね。

 


②『きっと、澄みわたる朝色よりも、

f:id:NTR_ten0r1n:20161031230703j:plain

http://www.propeller-game.com/product/kitto/top.html

背景の美麗さと、そこに隠された「前世」と「呪い」。

エロゲはその性質上、何度も繰り返しプレイされるものです。当然、プレイヤーは既視感を持ち、同じ会話や物語をループすることになります。

本作はその「ループ」を物語の軸に織り込んだ作品です。

共通ルートを繰り返すことで発生するプレイヤーの既視感。主人公がその”既視感”に気づくことで「この世界はなにかおかしいぞ」と認知するわけです。また、ループを意図的に発生させる存在(=キーパーソン)を物語の中に置くことで、主人公、およびプレイヤーに終着点の存在を認識させます。つまり「主人公≒プレイヤー」だと訴えかけてくるのです。

小説技法にある”メタ視点”と本質は同じ。推理小説の中にも”我々は推理小説の中の登場人物にすぎない”とキャラクターに言わせちゃうような尖った作品が点在しますが、あれと同義と考えて問題ないかと。

ただ、主人公の歩んだ壮絶な過去(父親に虐待され、心を壊されていた過去)がシナリオに深みを与えます。結果的に主人公は武力でもって父親を制圧し、虐待の手から免れるのですが、あれほどまでにプレイヤーが”共感”していたはずの主人公が、物語のある部分から急速に乖離していくのは衝撃でした。

暗い過去から見つけ出したのが、主人公を救ってくれる存在であるヒロインたち。恋愛感情以上に”絆”の強さを訴えかけてきます。大切な仲間を侮辱された瞬間、拳を振り上げる主人公の熱い気持ちに胸を打たれました。

また、物語のバックヤードを構成している前世からの介入も素晴らしい要素。自分ひとりの力ではどうしようもない、そんな絶望感の中で輪廻から脱するために奮闘する登場人物たちの姿勢に勇気をもらいました。

作中のキーパーソン、というかループを発生させている張本人がプレイヤーの心を容赦なく折りにくるので、登場人物と自らの心境を重ね合わせること請け合い。

流麗な音楽と緻密な背景描写、線の細いキャラクターデザイン、そして要所要所に現れるユーモアの怪物のようなヨダ先生のふざけイラスト

f:id:NTR_ten0r1n:20171011120219j:plain

テロかよ。

シナリオだけでなく”すべて”が等しく混ざり合った結果、高次元に達しています。

流麗な音楽と、”時間”という概念を相手取った理不尽な絶望と、最後に行き着くカタルシス。そこにエロゲならではの手法とエッセンスを取り入れたこの作品は、エロゲ黎明期の2009年にあってなお燦然と輝く傑作です。 


③『そして明日の世界より――

f:id:NTR_ten0r1n:20161031223607j:plain

http://www.etude-soft.jp/product/asuseka/

通称あすせか。原画の植田亮先生はライトノベルさよならピアノソナタ」や「ガジェット」の挿絵を担当されているので、どこか絵に見覚えあるかも。シナリオは「こなたよりかなたまで」「放課後の不適格者」など、個性的かつエッジの効いた作風で有名な健速先生です。そんな今作のストーリーは、

「3ヶ月後、地球に小惑星が衝突し、世界が終わる」

という、逃れられない現実に直面した登場人物が織りなす人間ドラマです。

ここでミソとなるのが、小惑星の衝突から逃れるには地下シェルターに避難するほかなく、その権利は抽選であること。そして、のどかな日常を過ごしていた仲間たちの中で、主人公だけが生き残る権利を得るということ。この2点です。

これから待ち受ける確実な死を前に、それでもなお日常を取り繕おうとするヒロインや、すべてを諦めて嘆く人物。思考の変わってしまう人物。葛藤する主人公が選ぶ未来とは……?

「隕石が落下する」ニュースに至るまでの日常描写がそこそこ長いのがポイントです。ある程度までプレイヤーを没入させて、一気に落とすところが最高でした。エロゲ作品には不要と考えられ、死別、もしくは海外出張中であることの多い主人公の親ですが、今作の母親は主人公を大切に想ういわば”鑑”なので、こんな素晴らしい家庭も隕石によって粉々に打ち砕かれるのかー、と考えるとエモさが跳ね上がります。最近復刻版が出たのでぜひプレイしていただきたい一本ですね。

なお、巷で話題の「君の名は。」を鑑賞した際に僕が思い出したのがこの作品でした。といっても、カギとなる隕石の落下しかほぼ共通点は無いんですけどね。

地球崩壊のニュースが報道されるシーンまで冗長かつ平穏に続く日常描写と、その先にある破壊的な理不尽と絶望。まるでジェットコースターのような展開から、人の心を揺りうごかす緩急をこの作品から学びました。

 


 

④『るいは智を呼ぶ

f:id:NTR_ten0r1n:20161031224808j:plain

 http://www.akatsukiworks.com/product/ruitomo/

あかべぇ系列の名門、暁worksの代表作です。

真ん中に佇んでいる髪の茶色い子が主人公男性

もちろん女装したままエッチもします。

その主人公人気は凄まじいものがあり、公式サイトでおこなわれた人気投票でヒロインたちを抑えて得票率50%超えの堂々たる1番人気。数年経って、ファンディスクの発売とともに主人公に後付けでCVが入るという事態に発展しました。

南総里見八犬伝がベースとなる現代アクション。上述した「ク・リトル・リトル」も同じテーマを扱っていた通り、僕「南総里見八犬伝」がめちゃくちゃ好きなんですよね。産まれながらに呪いで知能をやられて3歳まで話すことすらできなかった女の子がやっと呪いから解放され、見目麗しい美人に育ったかと思えば飼い犬と結婚させられるって救いがなさすぎてシコれません? ですよね。ド変態オタクの皆さまならきっと分かってくれると思ってました。

閑話休題

本作は八犬伝の根底にある「産まれながらの呪い」と引き換えに「異能」を手にした登場人物たちが織りなす物語です。ジャンルとしては現代アクション+ファンタジーに該当するんじゃないかと。

主人公・和久津智の女装は「本当の性別を知られてはいけない」という呪いが産んだ副産物なのですが、何かを犠牲に何かを得るという”お約束”を女装男子たる要件に組み込むことでひとつのストーリーに昇華した手腕は素晴らしいの一言。

僕らはみんな、呪われている」という印象深いフレーズが冒頭からキャッチコピーのように作中で繰り返され、作中における「呪い」の”重み”をプレイヤーに叩きこんでいたのがとても心に残っています。

G線上の魔王」や「11eyes」、「タユタマ」などの名作がひしめく黎明期である2008年発表作では異端に属する本作ですが、主人公が女装した男性であること。主要キャラクターがほぼ全員学生でありながら学園描写が希薄なこと。「太陽の光を浴びると呪いに追われる」「通ったことのない扉を開けない」など制約ありきの異能描写が緻密なことからコアなファンが多く、一癖あるシナリオが好きな方はぜひともお手に取っていただきたい作品です。もちろん”コアなファン”には僕も含まれます

なお、ファンディスクの女装ナースコスプレエッチシーン5億回シコりました

 


 

⑤『天使の羽根を踏まないでっ

f:id:NTR_ten0r1n:20161031225047j:plain

http://mephisto-game.com/angel/

上述した「きっと、澄みわたる朝色よりも」と同じく、敬愛する朱門優先生の執筆作品です。僕はこの人で”ライター買い”を覚えました。

きっとこれは、神様を×す物語」(×部分には毎回別々の単語が入ります)をテーマに、神話七つの大罪、そこに使役物としての魔法登場するマジカルアクションとなっています。

神の使役する魔法は「奇跡」と呼ばれる……という何気ないワンシーンから、プレイヤーを観測者」の視点に放り込むのが見事でした。

ちなみにこちらの主人公は完全無欠の。

f:id:NTR_ten0r1n:20161031233934j:plain

おとこのこ。

はやくこれになりたい。

この主人公・あやめに魅力が詰まっていて、自らの寿命が残り僅かなことを知り、それでもお世話になった恩を返すため主君に忠誠を誓い、物語序盤から相当な無茶を通し続けます。

ところで7つの大罪……ラテン語で「7つの死に至る罪」は「傲慢」「強欲」「嫉妬」「憤怒」「色欲」「暴食」「怠惰」だそうです。説明がめちゃくちゃ長くなるのでざっくり省きますが、主人公・双見あやめは”神”と同等の力を持つ存在から大罪のうち「色欲」「憤怒」の”二罪”を一身に背負うかたちとなり、身体に負担がかかった結果、寿命が縮んでいる……というバックボーンがあります。どこから出てくんの、この発想

愛らしい容姿に男らしい鋼の心を携え、古武術を習得しており接近戦にも強い。それでいて一切驕らない謙虚な精神の持ち主。もう一度言います。はやくこれになりたい。

なお、あやめが背負っている「色欲」がエッセンスで、この罪が暴走することで「ところかまわず射精したくなる」という衝動を抱えています。僕かよ。こんなん女装がどれだけ可愛くてもでも許されない行為ですからね。女装男子がところかまわず射精、ってもうそれだけでエロゲが一本作れるやん……。

アシコキ、アシコキ……。

 


⑥『俺たちに翼はない

f:id:NTR_ten0r1n:20161031225655j:plain

 http://www.project-navel.com/oretsuba/

解離性同一性障害をコミカルに描いた秀作。王雀孫先生は天才なので義務教育過程の国語の授業に織り込むべきだと思います、まる。もっとも、この先生けっこう遅筆なので「いいものをつくるには時間がかかる」を同時に体現しておられるんですけどね。

いきなり核心に迫りますが、多重人格の人間の中には「統括人格」という、それぞれの人格を内側から管理する機関が存在します。ビリー・ミリガンを題材にした書籍を読めばわかりますが、実在するそうです(もっとも性質上、表に出てこないので当事者にしかわかりませんが)。

この作品の主人公は、過去のトラウマから多重人格を発症し「本当の自分」を心の奥底に閉じ込めてしまいます。作中に現れる「アビス(=奈落)」という表現が、奥底に閉じ込められた「本当の主人公」からの迂遠なメッセージ、という気づきを得た際の衝撃は忘れられません。

統括人格の視点から作品の一部始終を眺めるなんて尖った発想、いったいどこから生まれたんだろうか。純粋に尊敬してしまいますね。

また、ライター特有の会話のコミカルさも特徴で、重いテーマを取り扱っているにも関わらず軽妙にシーンが進んでいく様子がまるで魔法のよう。この方は『月に寄りそう乙女の作法』なども執筆されているので、イメージ湧く方も多いかも。

また、とあるシナリオは石田衣良:著『池袋ウエストゲートパーク』のオマージュになっていて、「いいものにいいものを掛け合わせるとよりいいものになる」というベンチマークの基礎みたいなものをここに学びました。

解離性同一障害をテーマに据えるということで、相当綿密な取材をおこなったそうです。土台のしっかりした地盤にこそすばらしい建造物が出来上がるんですね。

キャラクターそれぞれの台詞に個性とインパクトがあり、汎用性も高くついつい使ってしまいがちな部分も。

そういう日もある。胸が高鳴るー! お前が厚生労働省

ぶるっきゃおう、ぴらむに!

 


 ⑦『素晴らしき日々~不連続存在~』

f:id:NTR_ten0r1n:20161031225737j:plain

https://www.keroq.co.jp/suba/

哲学思想霊障、そこに解離性同一性障害要素を加えた奇作であり傑作。この作品のファンはめちゃくちゃ多いので、僕が何を語るべくもないかと。

アタマリバース」「スパイラルマタイ」などの強烈な造語に惹きつけられ、ヒロインがヤク漬けレイプされて心を病み自殺するという衝撃に頭をやられ、後に残ったのは救いなのか虚無なのか。

本当に絶望した人間は死をもってしかカタルシスを得られない、という一面について深く考えさせられます。作中の登場人物が持つ死生観の尖り方に現実世界とリンクするものがあって、死の中にハッピーエンドを見出せる方には強くお勧めしたい作品です。

上述した「ドラッグを吸入させられ強姦被害に遭うヒロイン」が作中の肝となるのですが、このヒロインの崩壊していく精神を一人称でもって疑似体験できる点はエロゲという媒体ならではの表現技法でしょう。視覚と聴覚に訴えかけてくるものが非常に多く、ヒロインがだんだんと狂気に染まっていく過程に絶大な興奮を覚えますので是非とも体感していただきたい。”統合失調症患者目線”を表現したシナリオ構成は『さよならを教えて』を始めとして枚挙に暇がありませんが、本作は飛び抜けて優秀です。

また”陵辱によって心が壊れる”というテーマはいわばエロゲあるある(最低の単語)で、最近ではCLOCK UPの『フラテルニテ』などでも取り扱われており、半ばお約束を味わう形で楽しむことができます。書いてて思ったけど最低なこと言ってるな僕。

本作はかつて同レーベルから発売された「終ノ空」のリメイク作品でもありますが、終ノ空」はあくまで「素晴らしき日々」の構成要素の一部分でしかなく、それ自体を包含してひとつの作品へと昇華している部分が凄まじいです。

なお、業界初のウサギのぬいぐるみとのエロシーンをリリースした作品でもあります。空前絶後かよ。

 


 ⑧『euphoria

f:id:NTR_ten0r1n:20161031230453j:plain

http://entacom.org/clockup/product/euphoria/index.html

モブキャラが開始1分でウンコを垂らしながら電気椅子で処刑されるというインパクトのありすぎる開幕から、まるで想像もできないセカイ系展開とEDが特徴の名作。

猜疑の裏に猜疑があり、黒幕の背後に黒幕がいるという、どこまで詰めても「本当の姿」が見えてこないストーリーの奥深さと、それに相反するような強烈なエログロシーンがとても心に残っています。

例をあげると、ヒロインがコンクリ壁に埋め込まれて精液便所と化すシーンや、女ふたりが相手方のアナルと口をそれぞれ連結させられて、下痢便を飲ませ合う、みたいなやつ。

また、ヒロインが水攻めにあって溺死したり、ギロチンで首を落とされたりと、容赦のないスナッフな側面も存在します。好きな人は好きなんでしょうね。僕は好きです。

それまでは抜きゲーブランドとしか認知していなかったCLOCK UPですが、今作と次作の「フラテルニテ」から、培った土台をぶちこわして新たな境地へ挑戦する姿勢を学びました。

それまでは「ビーチクビーチ」を作ったブランドということでかなり”ご贔屓”にさせていただきましたが、今では「シナリオゲーム制作集団」という認知に切り替わっております。ビーチクビーチも名作なんですけどね!彼氏持ちの黒髪ロングなアイドルをレイプしたりできるんで。

上述した”ヒロイン二人がアナルにホースをぶちこまれて互いの口に加えさせられ、互いの下痢便を食しあう”という斬新なエロシーンで2万回くらいシコらせていただきました

 


 ⑨『鬼うた。~鬼が来たりて、甘えさせろとのたもうた~』

f:id:NTR_ten0r1n:20161031230951j:plain

http://13cm.jp/130cm/games/oniuta/

人間の弱さ」が凝縮された傑作。絶対にハッピーエンドになんてしてやるものかという制作陣の気概が伝わってくるようです。

神社に住む主人公が賽銭泥棒に刺されて殺されるというはじまりから「予兆」はあったのかもしれませんが、かいつまんで言うと人間は縋るものを見つければ、それが壊れるまで縋り続けてしまうという描写に、思わず厭世的な気持ちにさせられた素晴らしい作品でした。

ヒロインたちが全員、黒髪黒瞳という、ある種「王道」から外れたキャラクターデザインをしているのも、そうした提言に噛んでいるのかもしれません。

「一度死んだ人間は、再び死を求めてしまう」というフィクションに演出が付随することで、これほどまでに絶望感を表現できるのかと非常に勉強になりました。

なにせ「幸せな気分になると死にたくなる」という自殺願望持ちのヒロインを主人公が全力で助けるたび、ヒロインは幸福を得てまた死にたくなる、という循環がありますからね。この作品の着地点どこだよ、と何度も思いました。

また、主人公の実姉が弟にガチ恋しているのも本作の特徴で、とあるルートで他のヒロインを殺して実弟を逆レイプしてくるというサイコっぷりを発揮してくれます。好きな人は好きなんでしょうね。僕は好きです(2回目)。

 


⑩『普通じゃないッ!!』

f:id:NTR_ten0r1n:20161031231553j:plain

(公式サイト閉鎖につきURLはありません)

 ALL-TiMEというブランドから発売された抜きゲーの秀作。 登場する女の子が全員可愛らしく、その全てが異常性癖者という最高のシチュエーションを与えてくれます。

 中でも、上画像の一番右に鎮座しているしおり先生

f:id:NTR_ten0r1n:20161031232535j:plain

主人公の年上の幼馴染で初恋の女性。めちゃくちゃ久しぶりに再会して「やったー!」と舞い上がっていたら、実は主人公と絡みが無くなって以来とんだビッチになっていて、学園の不良から輪姦してもらっていたという最高のメス豚キャラクターです。

「妊娠しないお薬飲んでるから中に出しても大丈夫だよ」ってシチュエーションが最高でした。どうせ結婚しても間違いなく不倫するだろうし、マジな話、僕の理想の女性かもしれません。

この作品からは「男だけじゃない、女の子もエッチなんだな」という気づき、加えて「一途な恋愛をするよりも、性癖異常の女と適当に遊んだほうが楽しそうだな」という哲学を得られました。

 


ありがとうございました

ここらで筆を置かせていただきます。

この拙い紹介で興味が湧いた、なんて方がおられましたらぜひともプレイしてみてください(一部手に入らない作品もあるけど)。こうしてキュレーションメディアのようにいろいろと書いていたら作品の中身をふんわり思い出してしまいました。

ここまで書いて改めて見ると、まるで僕が女の子が酷い目にあっている作品が大好物すぎる変態みたいですね。正解です。

それではみなさん、さんきゅーべりーマンコ!!!!!

  

追記

新たにこんな「10選」を記事にしました。合わせてお楽しみください。

ntr-ten0r1n.hatenablog.com

 

 

 

【教訓】”性病リレー”のバトンを受けた友達の話

 本日、2016年9月10日より、話はちょうど1ヶ月遡る。

「8月7日(日)友人と飲み会をした」

 話の根本はここを軸とし、ここに帰着する。

 美味しい料理に舌鼓を打ちつつ、場にそぐわないバカ話で盛り上がって楽しい時間を過ごし、満足感に浸った状態で解散した。そして、その3日後に勃発した珍事––––いや、あえて言うならチン事について、紹介させていただきたい。

 これは自らへの教訓であり、また同時に、読者諸君への注意喚起としての側面も併せ持つ。暇潰しがてら、皆さんの身に置き換えて楽しんでいただければ幸いだ。

 

【登場人物】

桜のXT桜のXT (@sakuranoxt) | Twitter

今回のキーパーソン。学生。よくツイッターでオタクをバカにしているが、その実、人生の半分をアニメ鑑賞に費やす生粋のアニメオタクである。

先日「なんか面白いことやって」と最低な無茶ぶりをしたところ、ペットショップのインコに「マン毛」という言葉を教えて帰ってきたユーモア戦士

 

だいあんだいあんぴーす (@daian0721) | Twitter

桜のXTのお守り役。呼吸するように酒を浴びる。その昔、競馬で50万円近く得た勝ち分を大人の事情で失った面白エピソードの保有者でもある。

口癖は「飲み」「飲みね」「飲み会」「飲み行こ?」「飲もう」の飲み5段活用

 

ブロGマンG (@padpadG) | Twitter

鬱病。口癖は「マン毛」「めっちゃ分かる」。アイコス愛好者だが、よく充電を忘れて通常のタバコを愛煙している。それ意味なくない?

 

ぼくてのりにゃす (@NTR_ten0r1n) | Twitter

筆者であり語り部。都内の競馬メディアで記事を書いたりUIを作ったりしている24歳児。性格の悪さを「京都出身だから」で片付けるくらいには性格が悪い。

 

 きっかけは至ってシンプルだった。

 桜のXTだいあんぼくの三人でWINS新宿へ赴き、競馬を観戦。みんなで仲良く4万円ずつ勝ちせっかくなら良いものを食って飲んで騒ごうぜ! と、ちょうど予定の空いていたスロカスブロGを誘って浅草へ向かったのである。

 競馬を知らない方のために補足すると、「WINS(ウインズ)」とは場外馬券販売場のこと。競馬を開催している競馬場現地に行かなくても馬券が買え、中継でレースを観戦できる施設の名称である。

(詳しくはこちらのURLを参照)

ウインズ新宿 施設・サービス案内

 リア充の君たち向けに噛み砕くとスポーツバーの酒が出ないVerオタクのポマエラ向けに噛み砕くと声優イベントのライブビューイングみたいなものだと捉えていただければ、おおむね間違いはない。

 

 ざっくり言うと、汚いオッサンの隔離施設である。

 

「良いものを食って飲んで」をコンセプトに、向かったのはこちらのお店。

www.asakusa-ichimon.com

 マグロの希少部位(カマトロ)と新鮮なネギを、鍋でいただく老舗。日本酒のレパートリーも豊富だ。なにか良いことがあったり、良いものが食べたくなったり、友人同士で集まったりした際には、たびたびここを布教中。

 個人的なイチオシは獺祭葱鮪鍋。獺祭のフルーティな味わいと脂の乗ったマグロが口の中で溶け合うのはもう絶品のひと言だ。

 サイドメニューも豊富で、上記のカマトロを豪快に使用したグロステーキや、旨味の深い鴨肉のつくねなども評判高い(だいあんのお気に入りは前者、ブロGのお気に入りは後者である)。

 大人4人で満足いくまで飲み食いすると、一人あたり7500円〜9000円くらいの会計になる。じゅうぶん暴飲暴食の粋に達している。この日は最も勝ち分の多かったぼくが諭吉+αを召喚し、恩と感謝を享受した。

 

  誰を誘っても間違いない”おいしいお店”なので本当にオススメ、なのだが。

 店内は江戸の町を想起させるような落ち着いた大人の空間で、ぼくたちの席は別の意味でのオトナの空間と化してしまっていた。

 

桜のXT「メッチャうめえ!なにこのマグロ、口の中で溶けますよ!競馬にも勝って、みんなとこんなウマいもん食えるなんて、今日はツイてるわー!」

だいあん「気持ちは分かるけどさ、スラム街の孤児みたいに食うのやめてくれない?」

ブロGマン毛

ぼく「みっともなさすぎる。冬眠前のリスかよ」

 

こんなのは序の口。

ビールや日本酒が回りだした頃の会話は、例えるならゆるふわな地獄だった。

 

桜のXT「男も乳首弱いって言いますけど、アレ本当ですよね。俺ピンサロで嬢に乳首リップ食らうだけで勃起しちゃいますもん」

ブロGめっちゃ分かる

だいあん「こんな落ち着いた店でお前の乳首の話なんて聞きたくねえ」

ぼく「さりげなくめっちゃ分かってる奴もいるし、回りの席からの視線が痛いな」

 

1時間後。 

 

桜のXT「なんなら俺、乳首に上唇当ててヴヴヴヴヴヴヴヴってしてもらうだけで射精しちゃいますからね」

3人「「「その効果音なんなの」」」

桜のXT「乳首にデコピンされるだけで射精しちゃうまであります」

だいあん「それ”デコピン”じゃなくね?

ぼく「そういえば、そんなエロ動画のGIFあったな。」

 

さらに1時間後。

 

桜のXT「そういえばこの前ね、ひさびさにセックスしたんですよ」

桜のXT「友達がセフレ回してくれたんですよ。その子と一発ヤったんですよ。いや、最高でしたねー!」

ぼく「”セフレが回ってくる”って表現、めっちゃ面白いな。バーカウンターかよ。きっと回ってくる前に輪姦(まわ)ってるんだろうな」

桜のXT「顔ブスだけどオッパイでかかったし最高でした。人脈って大事っすよね!」

だいあん「それもう公衆便器じゃん

ぼく見知らぬ穴兄弟と街ですれ違ってそう」

ブロGマン毛……

だいあん穴兄弟の対義語って棒東大で合ってる?」

ぼく「合ってる」

 

 会話の内容は控えめに言って最悪だったものの、こんなのはあくまでも一幕に過ぎず。ユーモラスな会話と美味い料理を肴に歓談し、ちょっと真面目な話なんかも交えつつ、楽しく解散と相成った。

 

 

 で。 

 3日後。

 Xデー当日。 

f:id:NTR_ten0r1n:20160911003147j:plain

 

 電車の中で声出して笑った。

 

 仕事からの帰路。桜のXTの必死さとは対照的に、僕は電車の中で笑っていた。 

 淋病ないしクラミジアの潜伏期間を鑑みると「回ってきたセフレ」経由で性病に罹患したのはほぼ間違いない。ちなみに、セフレをよこした友人は発症していないと聞く。つまり、桜のXTはピンポイントで性病リレーのバトンを受け取ったことになる。

 するとどうだろう。飲み会の当日、朗らかに話していた桜のXTが実は性病のキャリアだったと知るや、交わした会話がとんでもなくユーモラスなネタへと変遷するではないか。それでは、おさらいしてみよう。

 

 

性病「メッチャうめえ!なにこのマグロ、口の中で溶けますよ!競馬にも勝って、みんなとこんなウマいもん食えるなんて、今日はツイてるわー!」

→淋菌とクラミジアびっしりツイていた

 あと”ツイてるわー”の前にまずゴムを付けろ

 

性病男も乳首弱いって言いますけど、アレほんとですよね。俺ピンサロで乳首リップ食らったらめっちゃ勃起しますもん

→セフレとの性行為も乳首リップだけなら助かったのにな

 

性病「なんなら俺、乳首に上唇当ててヴヴヴヴヴヴヴヴってしてもらうだけで射精しちゃいますもん」

その効果音なんなの(二度目)。

 

性病「乳首にデコピンされるだけで射精しちゃうまである」

→冷静に考えてそれデコピンじゃなくね?

 

性病「そういえばこの前ね、ひさびさにセックスしたんですよ」

黒歴史ってこうして堆積していくんだなぁ……。

 

性病「友達が回してくれたセフレとヤっちゃいました。最高でしたね

→ぼくも最高の気分になったよ。

 車内で吹いたことは忘れない。

 

性病「顔ブスだけどオッパイでかかったし最高でした。人脈って大事!」

→顔がブスである(-5点)

 乳が大きい(+10点)

 性病持ってる(-5億点)

 =トータルで赤字やん。

 

 しかし笑いが止まらない一方で、得るものがあるのも確かだった。 

 

桜のXTから学ぶ性病の回避方法】

①避妊具は付けよう。

②避妊具だけでは防ぎきれない。そもそも公衆マxコに気をつけよう。

③もし性病に罹った場合のことを考えよう。「見知らぬ穴兄弟から淋菌を植え付けられた」と思うとめっちゃムカつくでしょう? いったん冷静になろうね。

④もし性病に罹った場合のことを考えよう第2弾。「乳だけデカいブスからクラミジアを受け取った」と思うとめっちゃムカつくでしょう? いったん冷静になろうね。

 

 上述した項目について、自分自身。そして読者諸君の間で意識の統一を図りたく、一筆取らせていただいた。

 まあ、結局はただの暇つぶしなのだけれど、この記事がどなたかのツボに入ったとするならばありがたい話である。

 

 最後に謝辞を述べたい。

 閲覧していただいた読者の皆様、ありがとう。

 この記事の掲載を快く許可してくれた桜のXT、ありがとう。

 桜のXTに性病を移してくれた女の子、ありがとう。

 淋菌とクラミジア、ありがとう。

 圧倒的感謝だ。

 

 余談だが、浅草一文にて「鴨肉のつくね」の付け合わせとして添えられていたチンゲンサイを指さし「ブロG、この野菜いつもなんて呼ぶ?」と尋ねたところ。

ブロGマンゲンサイ

 そこは統一しなくてよくない?

 お後がよろしいようで。

【提言】理不尽な言葉への「センスあるレシーブ」5案

こんにちは、てのりです。

twitter.com

 思い付いたフレーズやワードを書き溜めて、集めて固めてエンタメに昇華したいという気持ちからこのたびはてなブログをはじめました。FC2blogを持っているのにはてなブログを選んだのはこっちのほうがUIが快適だからです。SEOに強いのも魅力かな。

 前置きはこれくらいにしておきましょうか。

本題

 ぼくは常日頃から「暴言を吐いてきた相手には同じ程度の暴言を吐き返してもよい」と思っている人間です。やられたらやり返す、やられた分だけ。まさに「目には目を」の精神です。

 誰しも、友人や上司、仕事先などから理不尽な罵声を浴びたことがあると思います。おそらく友人や上司、先方の営業担当だって、同じように理不尽な罵声を浴びてきたのでしょう。だからといってそれを他人にぶつけるだけでは、この先ずっと罵声のサイクルは消滅しませんよね。

 そこで閃きました。

いっそ、飛んできた方向に罵声をレシーブしてしまえばいいのでは?

 そこで提案したいのが冒頭の「目には目を」理論。やられたらやり返すのだ、やられた分だけ。サーブを打ち込まれたら、テニスや卓球の要領で間髪入れずに相手のコートに球を返すのです。

 無論、上司に「君はバカだな」と言われた際に「あなたもアホですね」と返しては地獄を体験することになるし、営業先に「そんなことも分からないのか!」と言われた際に「そんなことが分からないことも分からないのか!」と返しては終わらないいたちごっこが始まることになり、どちらにしろ社会的な立場が揺らぎます

 それでも、なにか言い返したい読者はたくさんいるはず。

 ぼくがそうであるように。

 ここはひとつ、負の連鎖を断ち切るため、実際にぼくが浴びた罵声をもとに、レシーブを考えてみましょう。

 

 

■CASE1

友人「お前、人として終わってるな」

ぼく「ついに俺も神として始まったか……」

 これは普段のぼくが使っているレシーブです。人として終わっているなどという最悪な評価を定期的に受ける時点でぼくの最悪な人間性が知れますね。

 私事になりますが、会うたびにこれを言ってくる友人がおり、そのたびにこう返事しているので、かれこれもう50回以上神として始まっていることになります。

 友人が「一週間フレンズ」のヒロインみたいに定期的に記憶喪失に陥っている可能性もありますけれども、おそらくそんなエロ同人誌みたいなことは無いでしょう。

 

■CASE2

40代女性(前職の先輩)「この会社、私に優しくないよね」

ぼく「人生経験が長い方は大切にしなきゃいけませんよね」

 この前職の先輩、齢40にして生粋のジャニオタで、ある日、金・土・日にかけて職場に泊まらざるを得ない量の案件が入ってきた際、早退連絡もせず退社して嵐のコンサートに向かったドギツいおばちゃんです。

 当然、社内で話し合いが行われ、その際社長にこてんぱんに怒られたこの40代女性(ジャニオタ・離婚調停真っ只中)がぼくにこぼした愚痴が”これ”でした。

 詳しくは、ぼくの転職体験を綴ったこちらのnoteをご参照あれ。

note.mu

 当然、内心では「絞め殺すぞこのババア」と思いましたが、なんとか抑えて口にした言葉が上述したものになります。齢40を過ぎて離婚問題を抱えたジャニオタのババアはニトログリセリンよりもやばいなと思わされた一件でした。

 

■CASE3

風俗嬢「(股間を見ながら)ちっちゃくてかわいいね」

ぼく「収納上手なんです

 20歳になりたての頃、競馬の勝ち分で意気揚々と向かった風俗店で言われたセリフ。

 言い訳をさせてもらうと、20年若返った片桐はいりの前では息子だって恥ずかしがって出てこないわ。

 結局、目を瞑って無心で”コト”を終えましたが、財布の中身は軽くなるわ言いしれない虚無を感じるわであまりいい思い出ではありませんでした。チンポに関する新たな語彙を見つけたことが唯一の収穫でしょうか。

 

■CASE4

先輩「お前、もっと努力しろよ」

ぼく「馬鹿には見えない努力なんです」

 いわゆる”裸の王様”的転回ですね。これを口にしたのは高校生の頃でした。

 今のサブカルに染まり切ったぼくからは想像できないかもしれませんが、これでもガチガチの運動部に所属していたため、当然先輩から怒られる機会は多々ありました。

 一週間の合宿中、心身ともに追い詰められたぼくがケラケラ笑いながら放った口答えが上述したものになります。軽く引かれていたので精神病患者だと思われたかもしれません。

 

■CASE5

商品棚を転倒させた中学生「なあなあ、鬼ごっこしてたら棚が倒れた!」

ぼく「(倒れた棚を確認しながら)誰も挟まってないやん。勿体ない」

中学生達「…………」

 大学1回生の頃、レンタルビデオ店でアルバイトしていたぼくが実際に放った一言です。京都でも有数のスラム街に住んでいたため、深夜のレンタルビデオ店で中学生が商品棚を盾に隠れ鬼ごっこするなんてことは日常茶飯事でした。

 ある日の深夜25時ごろ、店内にガンガガガガガガドグワッシャ~~~ン!!!!ととんでもない音声が響き渡り、駆け付けたところで上述の展開です。入っていたバンドサークルの練習で疲れ切った状態での深夜勤だったので、おもわず本音が漏れ出た形になりますね。

 バラバラに飛散したDVDのレンタルパックをひとつひとつ拾って、はたきをかけて陳列棚に戻す、という作業で結局その日は上がりましたが、ぼくの言葉にドン引きしていたはずの中学生達は翌日も隠れ鬼ごっこしていたので、やっぱり諸悪の根源はバカ親だよなあ、と思いました。

 

■おわりに

 いかがだったでしょうか。

 自らの過去の体験をベースに書いたため、記事として成り立ちそうな5案を採用したかたちになりますが、みなさんのお役に立てていただければと思います。

 センスある一言が、負の連鎖を食い止める。

 これからも、ネタが思い浮かべば都度、こうした身になる記事を掲載していきたいと思います。ブックマークSNSでのシェアなど、よろしくお願いします。

 

その他、こちらも合わせてどうぞ。

twitter.com

note.mu

ついでに、二年くらい更新してないけどニコニコ動画

http://nicovideo.jp/user/21549820

 

ではまた次回の記事でお会いしましょう。ここまで御覧いただき、まことにありがとうございました。